「敦煌」千年刺繍の技を探る伝承の新たな道

写真は劉雲帆が敦煌の刺繍要素を豊富に含んだ作品を創作している。中新社発謝秉錫撮影

夜のとばりが降りてきて、42歳の甘粛天水市級無形遺産代表的なプロジェクト武山刺繍代表的な伝承者劉雲帆は、刺繍棚の前に座って、糸を軽く捻り、中指は親指に合わせて軽く刺繍針を弾き、指の使い方が熟練していて、動作が軽やかで、繰り返しのように、刺繍品に敦煌壁画の古典的な模様である水月観音を描き出した。

古代敦煌刺繍を系統的に発掘し整理することは、甘粛天水市級無形遺産代表的プロジェクト武山刺繍代表的伝承者劉雲帆のこの2年間の最も重要な仕事の一つである。

祖母に薫陶され、劉雲帆は幼い頃から刺繍に夢中になり、刺繍の知識にもよく触れていた。中学生の時、シルクロードを往復して商売をしていた親戚から、空飛ぶ、ラクダ、シルクロードの風景が多くの職人の作品の題材であることを知った。その時から、彼は何度も敦煌を往復し、千年前の敦煌刺繍を研究し始め、多くの敦煌刺繍の理念と物語を蓄積した。

ここ数年来、劉雲帆は多国籍外交官のために隴繍の非遺技術を展示したことがあり、多くの作品は敦煌刺繍要素を豊富に含むシルクロードと関係がある。その中で、シルクロードをモデルとしたオリジナル両面刺繍『玉絹の道』が、中国工芸美術界最高級大賞「中国工芸美術百花賞金賞」を受賞した、『敦煌菩薩』は中国国家典籍博物館に収蔵され、『敦煌遺韻』は中国台湾大漢学院に収蔵されている。

敦煌刺繍は南北朝の発展を経て、唐代にピークに達した。針法では、煩雑な施錠針刺繍を弱体化させ、針割り刺繍、平針刺繍、加金刺繍を運用する。題材には、仏像、仏経、壁画などの仏教題材が追加された。蔵経洞から出土した唐代の刺繍の数は最も多く、技法も多様で、最もすばらしい。

敦煌莫高窟から出土した最も重要な刺繍作品の一つは、現在大英博物館に所蔵されている唐代の刺繍「涼州瑞像図」である。敦煌壁画とカラープラスチックの長盛衰えない国際的な知名度とは異なり、敦煌刺繍は近年徐々に人々の視野に入り、研究者は少なく、研究成果も限られている。

「敦煌刺繍の技法には独自の『法度』があり、民間刺繍のように跳躍し、柔軟ではない」と劉雲帆氏は述べた。

三大高原の交差点に位置する甘粛省は、遊牧文化、農耕文化、シルクロード文化を兼ね備えており、文化の融合と衝突も刺繍品に表れている。劉雲帆氏によると、両手を合わせなければならない他の複雑な針法に比べて、針割り刺繍は片手で完成でき、遊牧民族が移動する際に柔軟に刺繍を完成するのに便利であると同時に、この針法が刺繍した刺繍品は耐摩耗性があり、実用性と観賞性を兼ね備えており、当時の人々の仏像刺繍の条件に合致している。

古代敦煌の刺繍を系統的に発掘し整理することは、劉雲帆のこの2年間の最も重要な仕事の一つである。彼は13日、中新社記者の取材に対し、この仕事は現在、敦煌刺繍の技法、配色、紋様、内包などの内容を含む特別テーマに入り、間もなく博物館の展示や出版物として登場すると述べた。

「敦煌刺繍の中の独特な針法と図案は、古代敦煌の女性特有の知恵の結晶であり、文化の独特性を反映することができる」と劉雲帆氏は述べた。刺繍品は当時の人々の生産生活、地理条件、民俗風情、内心の願いを反映することができ、昔の敦煌の研究、敦煌文化の構造レベルを豊かにすることができ、そして民族文化の誇りを高めることには重要な意義がある。

連日、「敦煌壁画版制服」が世間で炎上しているが、これは劉雲帆を鼓舞させ、現代化した単品で敦煌刺繍を「復活」させるプロセスを加速させたいと考えている。

彼は、敦煌刺繍の中の図案と針法を抽出し、敦煌壁画、シルクロードの風景を融合させ、重要な石窟観光地イコール刺繍作品の中で、古代刺繍の豊かさを広げ、そしてそれを現在の生活装飾品に広く応用し、古代敦煌刺繍をより多くの若者の世界に進出させ、この技術を生きたまま伝承させることを期待していると述べた。

（出所：中国新聞網）